塗装の補修の必要性

塗装の補修は、建物の寿命を延ばす役割があります。風雨にさらされると塗装面は劣化し、この状態を放置してしまうと、最終的には大きな補修工事が必要となります。プロの塗装業者にとって、補修は日々の業務の一部です。補修の過程で何を重視し、どの結果を追求すべきかを理解することは、より高品質なサービスを提供するために欠かせません。

塗料を選ぶ際のポイント

塗装補修工事において、適切な塗料を選ぶことは、仕上がりの美しさや耐久性はもちろん、コストや工期にも大きく影響します。しかし、塗料の種類は多岐にわたり、最適な塗料を選ぶためには、さまざまな要素を考慮する必要があります。

こちらでは、公共工事以外において、塗装業者が補修工事の塗料を選定する際の重要な3つのポイントをご紹介します。

1．塗装の範囲

全塗装か部分補修かなど塗装作業の範囲を明確にすることは、必要な塗料の量やコストに直接影響を及ぼします。部分補修の場合、一見すると範囲が限定されているためコストが抑えられるように思えますが、実際には全面塗装に比べて思いのほか手間がかかり、結果として工事の人件費が高くなる可能性もあります。このように、塗装の範囲は工事全体のコストを考えるうえで、適切な塗料の選定にも影響をする重要な要素となります。

2．現状の塗装状態の把握

塗装を施す対象の状態を正確に理解することは、最適な塗料を選ぶためには不可欠です。対象がどの程度劣化しているか、既存の塗膜がどのような状態か（例えば、研磨だけで除去可能か、または油性塗料か水性塗料か等）という情報が、塗料の選定のプロセスに大きな影響を与えます。選ぶ塗料と既存の塗膜との相性が悪いと、塗装が剥がれやすくなったり、最悪の場合には全てを剥がして再塗装しなければならない事態にもつながりかねません。事前の現状確認と分析は、塗料選びにおいて重要なステップなのです。

3．施主との意見調整

塗料の選定において、環境への配慮やコストパフォーマンスなど様々な基準が考慮されますが、これらは結局のところ、施主の希望に基づいています。施主が工事の際の匂いを気にされる場合は水性塗料の選択が適していますし、環境への影響を最小限に抑えたいという希望があれば、自然塗料を推奨する選択もあり得ます。また、予算の許す限りであれば、耐久性に優れ、価格が高めの塗料をお勧めすることも可能です。これらの判断は最終的には施主がなされるべきものであり、塗装業者としては施主の意向を尊重することが不可欠です。

そのため、施主とコミュニケーションを図ることは極めて重要になります。特に、部分補修などの場合、「補修した箇所を目立たなくする」ことは技術的に難しい、あるいは不可能であるという現実を、施工前に正確に伝える必要があります。これは、後々のクレームを防ぐためにも、事前の説明が重要なポイントとなります。

有限会社北海屋では、プロが使用する塗料・塗装用具を販売しています。塗料に関するアドバイスはもちろん、調色のご依頼にも対応可能です。費用の見積りをご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。