雪国のための耐久性抜群!屋根塗料ガイド
屋根の耐久性は、建物がたっている地域の気候・環境要件によって大きく異なります。
その中でもいわゆる「雪国」と呼ばれる地域で、毎冬必ず屋根に雪が積もる場合、他の地域よりも早く屋根塗り替えをする必要がでてきます。
今回は日本ペイントの商品を中心に、雪国にお住いのかたの為の屋根塗料についてご紹介いたします。
目次
雪国の屋根に求められる塗料の特性
滑雪性の良さ
まず最初に考慮したいのは「滑雪性」です。
雪が積もった際に屋根に密着せず、そのまま塗膜を伝ってスルンと滑って落ちることで、屋根材が傷むのを防ぐことが出来ます。
ではどういった屋根塗料が滑雪性が良いのかというと、ポイントは膜厚とツヤ感です。
ぽってりと塗膜がつくタイプの質感であり、キラッと光るようなツヤの高い仕上がりの塗料を選ぶのが重要です。
また塗装方法も、吹付よりはローラー・刷毛の方が膜厚をつけることが出来ます。
耐候性の高さ
屋根の耐久性を高くする場合、塗料に含まれている樹脂による屋根塗料のグレードを考慮する必要があります。
こちらは日本ペイントの商品を参考に、樹脂による屋根塗料のグレードを比較した図です。
アクリルよりウレタン、ウレタンよりシリコン、という順に塗膜は強靭になり、耐候性は高くなります。
雪国におすすめの屋根塗料の種類
雪が多く降る地域の屋根では、シリコン樹脂以降(シリコン、ラジカル制御形、フッ素樹脂、ハイブリッド無機系)の高耐候性能な屋根塗料をおすすめします。
以下に日本ペイントの商品で雪の多い地域におすすめの屋根塗料をご紹介します。
シリコン樹脂
日本ペイントの代表的なシリコン樹脂屋根塗料です。
光沢感がありポテッとした塗膜で膜厚がつきやすく、速乾タイプで施工もし易いです。
ラジカル制御形
屋根の塗膜を劣化させる「ラジカル」を制御する技術が使われた塗料で、「ラジカル制御形」といいます。
高い光沢感が特徴で、雪国の屋根にとくにおすすめできます。
フッ素樹脂、ハイブリッド無機系
耐候性の高いフッ素樹脂、ハイブリッド無機系の屋根塗料ももちろんおすすめです。
しかし雪国の屋根に重要な「光沢」については、日本ペイントの商品では上記2つが優れていると思われます。
そのため今回は「雪国の屋根塗料といえば」として知られる商品のみピックアップいたしました。
より詳細は画像のリンク先をご覧ください。
雪国特有の屋根の問題とその対策
なぜ、雪国では屋根塗料選びに特有の観点が必要なのでしょうか。
その理由は主に以下の2つです。
雪が屋根の塗膜と一緒に滑り落ちる
屋根の塗膜は、紫外線など様々な環境要因によって、塗装した後から徐々に劣化していきます。肉眼ではキレイに見えても実は表面はでこぼこの凹凸があります。
この凹凸に雪や氷がぴったりと密着して、雪が解けて滑り落ちる際に塗膜まで落ちてしまうのです。
また雪下ろしで屋根に上って作業する際にも、屋根を傷つけないように注意が必要です。
このため、雪国での屋根塗料はできるだけ凸凹を少なくする高光沢、劣化を防ぐ耐候性が重要になります。
上記はシリコンルーフⅡとファインパーフェクトルーフのつや感を比較したものです。
実物を肉眼で見たほうが分かりやすいですが、写真の写り込みから光沢感が見て取れるかと思います。
これくらいつや感があり塗膜が強靭であることで、雪による屋根材の劣化を防ぐことができます。
サビ・漏水が起きやすい
屋根に限らず、塗料の重要な役割は塗膜によって「保護」をすることです。
冬の間雪がずっと屋根に残るということは、屋根材に水分が付着しつづけることを意味します。
もし屋根の塗膜がはがれていて、鋼板などの屋根材が露わになった状態がつづけば、すぐに錆が発生して屋根が傷むばかりか、雨漏り・漏水の恐れがでてきてしまいます。
建物全体の寿命を延ばすためにも、屋根塗料が果たす役割は大変大きなものです。
屋根が傷んだ状態を放置して、後々大規模なリフォームが必要になってしまう前に、雪の多い地域の方は特にこまめな屋根の塗替えメンテナンスをおすすめします。
屋根塗り替えのベストシーズンと注意点
では、「そろそろ我が家も屋根の塗替えをするべきかな」と気になり始めたとき、いったいどの時期に施工するのが良いのでしょうか。
塗装に適した季節と気温
答えは、商品パンフレットの塗装仕様に記載されています。
こちらは日本ペイント「ファインパーフェクトルーフ」の標準塗装仕様です。
「塗り重ね乾燥時間」の欄にある通り、塗料は基本的に気温23度を想定して設計されています。そのため、大体日中の気温が20度を超え、雨の少ない時期が屋根塗り替えに適していると言えます。
雪の多い寒冷地であれば、一般的には3月下旬~10月下旬までが屋根塗り替え施工のシーズンかと思います。
しかし最近は温暖化で夏の日中が高温になりすぎるため、寒冷地であっても日中の気温が30度を超えるときは、いったん時期をずらして9月から施工するのをおすすめします。
夏場の鋼板屋根はフライパンのように高温になっていて、塗料をのせた瞬間に「ジュッ」と音を立てて蒸発するような状態になります。
これは一見乾きが早く作業に良いように思われますが、屋根塗料は単なる水分の蒸発ではなく、塗料の化学変化によって屋根に密着するように設計されています。そのため、あまりに高温での屋根塗装は逆に塗膜の密着性が悪く、早く屋根が傷んでまた頻繁に塗替えする必要が出てきてしまいます。
他にも、梅雨時期など雨が続けば施工はできませんし、寒くなり屋根に朝露がつくようになれば都度作業前にブロアーなどで水分を吹き飛ばすなど、追加の工程が増えて工期が伸びてしまいます。
冬場で気温が低くなれば、たとえ雪が降っていなくても塗料の硬化がうまく進まず、仕上がりが白くぼけたようになる「ブラッシング(白化)」という施工不良につながる可能性があります。
このように屋根塗り替えなどの屋外の施工はかなり天候・気温に左右されるため、ベストシーズンを狙って前もって塗装業者に声をかけておくのが重要です。
屋根塗り替えの施工が冬場になってしまった時の対処
どうしても雪が降る前に屋根塗り替えをしたいけれど、もう結構寒くなってきてしまった!
という場合には、塗料の乾燥を早める「低温用硬化反応促進剤」を添加するのがおすすめです。
こちらは日本ペイントの1液屋根塗料(シリコンルーフⅡ、ファインパーフェクトルーフにも使用できます)に添加することで、外部気温が低くても硬化を早めることができます。
ただし添加量を守ることと、可使時間が短くなる点に注意が必要です。
まとめ:雪国の屋根塗料選びで失敗しないために
ここまでの内容を踏まえてポイントを整理してみましょう。
最後のチェックポイント
- 屋根塗料はシリコン樹脂~の高耐候性、高光沢のものを選ぶ
- 定期的な屋根塗替えメンテナンスを行う
- 3月下旬~10月下旬までのシーズンに施工する(あまりに高温時期は避ける)
プロに相談するメリット
「実際にうちの屋根塗り替えにはどういう塗料がいいんだろう?」
「状況にあわせて塗料を選定してもらいたい」
屋根塗り替えの塗料選定にお悩みの際は、ぜひ有限会社北海屋にご相談ください。
長年塗料を扱ってきたプロが、現場に沿った商品をご案内させていただきます。
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