ペンキの色が思ったのと違う⁉原因と解決策
「買ってきたペンキの色が思ったのと違う!」
「塗装屋さんに塗り替えをお願いしたけど、事前に相談してた色と違うんだけど!?」
私たち塗料販売店にこういったご相談をいただくことは、実はよくあります。
一般の方はもちろん、長く塗装職人として活躍している方であっても、「なんか違う気がする」と不安になってしまうのは当然のことです。
まずは一旦落ち着いて、どういう原因が考えられるのか、またその予防法・解決策をご説明いたします。
目次
ペンキの色が思ったのと違う|①撹拌(かくはん)が十分ではない
撹拌(かくはん)が十分ではない、つまりよく混ぜられていない、という可能性があります。
「そんな単純なことがあるか!」と思うかもしれませんが、これが本当に重要な問題です。
こちらの画像をご覧ください。
赤く丸がついている①と②について、どんな色に見えるでしょうか。
①はピンクっぽく、②は黒みがかった茶色に見えますね。
実はこれ、同じ塗料の①撹拌前と②撹拌後の色なのです!
当店から屋根ペンキを購入いただいた職人さんから、お宅でしばらく前に買った塗料をあけたら、全然違う色が出てきた!と問い合わせがありました。
「チョコレート色のペンキを買ったはずだったのに、ピンク色になっている!」というのです。
そこで取り出して塗ってみた色が①、撹拌機でしっかり混ぜたあとの色が②です。
この塗料は、約3か月前に当店からご購入いただいたものでした。
当店では販売する際、念のため撹拌機で混ぜてからお渡ししていますが、その後3か月置いていただけで、色がこんなに分離してしまうことがあります。
お客様は「もちろん、一斗缶を両手で持ってよく振った」とのことですが、チャプチャプと振るぐらいでは中々混ざりません。
塗料に混ざった顔料の分子が重い場合、容器の底にかなり溜まってしまうのです。
使い切る場合は一斗缶の天板を完全に開いて、棒などでしっかり混ぜることをおすすめいたします。
特に購入から時間をおいてから使う場合は、塗料店の撹拌機で混ぜてもらうか、事前にしっかり混ぜてからお使いください。
ペンキの色が思ったのと違う|②小さい色見本を見て色を決めた
塗装職人さんがお客様とのやり取りで困ってしまうのは、こういう場合です。
「事前に色見本を見せて壁や屋根の色を決めたのに、お客様から『色が思ったのと違う』と言われた」
お客様としても大切な家、こだわって相談して色を決めたのだと思います。
こういうことが起きてしまう原因のひとつに「色の錯覚」があります。
こちらの画像を見てください。
小さい四角と大きな四角がありますが、この二つはどちらも同じ色です。
ブラウザやスマートフォンの画面上だとちょっと分かりにくいかもしれませんが、
小さい面は色が濃く、大きい面は色が薄く(白っぽく)みえる
という錯覚があります。
そのため、小さい色見本を信じて色を決めた場合、屋根や壁などの大きい面に塗ったときに「なんか違う」と感じてしまうことがあるのです。
この問題をどうすれば予防できるかというと、
- あらかじめ「大きい面だと白っぽくみえる」ことを意識して色決めする
- 一面だけ区切って上塗りをし、お客様に見せて確認してもらう
という案になると思います。
もちろん、2で万が一色変更が出た場合、新しく塗料を買わなければならない可能性もありますので、料金については事前によく相談なさってください。
基本的には1のように、お客様も塗装職人さんも、この錯覚をお互いに伝えておくことでトラブルが防げるかもしれません。
この錯覚のほかにも、「光の反射(時間帯と季節の問題)」「隣り合う色による錯覚」なども関係します。
ペンキの色が思ったのと違う|③塗料の製造ロットが違う
これはかなり細かい話になるのですが、塗料の製造ロットが違う場合、若干色味に差が出ることがあります。
基本的には工場生産なので同じ色になるはずなのですが、塗り比べると本当に微妙~~な違いがあったりするのです。
一般住宅の塗装では、お客様も「そこまで気にしない」「分からない」という場合が多いですが、
公共の塗装工事などかなり厳密さが求められる現場の場合、ロット番号にも注意が必要なことがあります。
事前にしっかり認識の確認をしておきましょう。
ペンキの色が思ったのと違う|④商品がリニューアルしている
「前回塗装した/塗装してもらったのと同じ色にしたい」
という場合、商品がリニューアルして色味が変わっていることがあります。
例えばこちらはニッペの「シリコンルーフ2_チョコレート(N)」の商品説明のために作成した画像です。
どちらも当然チョコレート色ではあるのですが、旧版と新版を隣あって塗ると「ちゃんとわかる」くらいの差が出ます。
もしリニューアル前の商品が残っていて、塗るのに足りなかったから新版も使いたいという場合、
屋根塗装の屋根片面を旧版→片面を新版にするか、中塗りを旧版→上塗りを新版にする、という方法があります。
いずれにせよ、商品がリニューアルされた場合は色味にも注意が必要です。
いかがでしょうか?
塗装工事が終わった後や自分が塗った後に「思ったのと違う!」とならないよう、出来るだけ対策をしてみてください!
関連情報
塗料・塗装用具販売店 | 有限会社北海屋
【有限会社北海屋】では、プロが使用する塗料・塗装用具を業者の方・一般の方に販売しております。高度な技術力や、正確な調色制度、豊富な知識によって、こだわりぬいた商品をご提供。ご自身のお好きな色を使って、住宅・身の回りのものを鮮やかに彩り、変化を楽しんでみませんか。塗料のことはぜひお気軽にお問合せ下さい。
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