艶消し屋根塗料で解決!光反射問題と板金屋さんへおすすめの塗料
最近、屋根塗料で「つや消し」を選択なさる方がジワリジワリと増えてきました。
私たち北海屋は宮城の雪が降る地域に店舗を構えていますので、周辺のお客様は滑雪の問題から「ツヤッ!」「ピカッ!」という仕上がりの屋根塗料を好まれます。
また全国的にも、耐候性の観点から艶消しの屋根塗料の商品数自体が多くありませんでした。
ではなぜ最近になって、艶消しの屋根塗料が選択肢にのぼってきたのでしょうか。
今回はその理由とおススメ商品をご紹介します。
目次
艶消し屋根塗料のメリット①光反射問題
屋根塗料で艶消しが選ばれる理由の一つが、光反射です。
敷地が狭く隣家とかなり密接している地域では、屋根が太陽光を反射することでご近所から「眩しい」とクレームが入ることがままあるようです。
太陽光を反射するくらい塗膜がついているというのは、本来は屋根の耐候性を考えればよいことなのですが、そのためにご近所づきあいが悪くなるのは避けたいところ、ということでしょうか。
また住居の敷地内に平屋の倉庫がある場合、倉庫の屋根が光を反射すると住居2階の窓からは眩しく感じるので、倉庫の屋根塗料は艶がひけたものを選ぶ場合もあります。
艶消し屋根塗料のメリット②デザイン性
周辺の環境を鑑みて、「景観色彩」の観点から艶消しの屋根塗料は好まれます。
観光地や別荘地では、街の景観を守るために県や市で様々な条例が定められている場合があります。
景観の条例は主に色合いについての指定が主ですが、雰囲気やテイストを合わせてデザイン性を高めるために艶消しの屋根塗料を選ばれるようです。
艶消し屋根塗料のメリット③屋根材を一部補修する際に色を合わせる
屋根板金工事の業者の方が艶消しの屋根塗料を選ぶこともあります。
屋根の全面葺き替えではなく、金額等の問題から傷んだ部分のみ補修をする際、あてがう屋根材はたいてい艶消し~3分艶程度のものが多いです。
この補修した部分以外の屋根に艶消しの塗料を塗ることで、屋根全体の雰囲気を合わせることができます。
艶消し屋根塗料のデメリット
艶消しの屋根塗料には上記のようなメリットがある一方で、デメリットもあります。
耐候性が落ちる
艶消し屋根塗料の一番のデメリットは耐候性です。
艶消しのツヤが引けて視える理由は、表面に微細な凹凸があり太陽光を反射しないためです。
凹凸が少ない艶ありの仕上がりに比べ、艶消しは凹凸が多くゴミを雨水で洗い流す力が弱いため、汚れが付着しやすくなり耐候性が落ちます。
屋根であれば日光の影響を受けやすくもなりますので、艶有りを選ぶより色褪せが早くなることも考えられます。
特に景観の観点から艶消し屋根塗料を選ばれる際は、塗り替えメンテナンスの頻度も考慮に入れておく必要がありそうです。
塗装に技術が必要
艶有りの屋根塗料に比べ、艶消し屋根塗料の塗装は「塗りにくい/難しい」と言えます。
艶有りに比べ塗りつなぎが分かりやすくなってしまい、塗りムラも目立ちやすくなります。
塗装後の仕上がりが気になる場所であれば、艶消し塗料に慣れていて信頼できるプロの塗装屋さんにお願いするのがおすすめです。
3分艶程度の仕上がりが多い
デメリットというよりは「こういうものだ」と知っておいた方がいい知識ですが、屋根塗料の艶消しは完璧に艶が引けているよりは、少し反射感が残ります。
屋根の素材や下地にもよりますが、およそ「3分艶」といわれるぐらいの仕上がりになることが多いです。
塗料販売店に依頼すれば、事前に塗り板見本を用意してくれることがあります。
広い面積を塗るために一斗缶をいくつも購入予定である場合は特に、ぜひA4判程度の塗り板で確認しておきましょう。
色彩には「面積効果」が働くため、小さい色見本と大きい色見本で見比べると、大きい方が白っぽく淡く見えることがあります。艶の仕上がりもまた、雰囲気が変わって感じることがあります。
上記の図は参考程度ですが、まったく同じ色でも小さい面積はより濃く、大きい面積は淡く見えることに注意が必要です。
当店でも塗り板がご用意できます。当店商品のご購入検討で、色でお悩みの場合はぜひご相談ください。
おすすめの艶消し屋根塗料をご紹介
おすすめの艶消し屋根塗料をご紹介いたします。
屋根塗料は通常調色対応はせず、メーカーが展開している色から好みのものを選ぶのが基本です。
どの仕上がりがイメージに合うか、よく検討してみてください。
ニッペ シリコンルーフ2 艶消し
日本ペイントの艶消し屋根塗料でもっともおすすめなのが、「シリコンルーフ2」の艶消しです。
いままでニッペのつや消し屋根塗料では、ウレタン樹脂塗料が展開されていましたが、シリコンルーフ2はシリコン樹脂を使用しています。
塗料は「アクリル<ウレタン<シリコン」の順に耐候性が増すため、艶消し屋根塗料でも他商品より「持ちがいい」のが期待できます。
また、従来のシリコンルーフ2と同様の色展開(シルバー除く)なので、豊富なカラーバリエーションも魅力です。
仕上がりは「艶消し」表記ですが、塗り板で見ると若干の艶を感じる「3分艶」ぐらいの雰囲気です。
写真は太陽光のもと撮影したもので、奥が「シリコンルーフ2 ブラック 艶有り」、手前が「シリコンルーフ2 ブラック 艶消し」の色見本板です。
艶有りの色見本板は風景を良く反射していますが、艶消しはまったく映りません。
ただし完璧にざらりとして艶がないかというと、ちょっと光を反射しているのが分かるでしょうか。シリコンルーフ2の艶消しは全体的にこのような仕上がりです。
ちなみに、この見本板はメーカーがスプレーで塗装しています。屋根塗装でローラーで膜厚を付ける場合では、また違った仕上がりになるかと思います。
詳細は下記ページからご覧ください。
ニッペ ファインルーフU 艶消し
次におすすめするのが「ニッペ ファインルーフU 艶消し」です。
こちらはウレタン樹脂の2液タイプの屋根塗料です。
2液タイプなので密着性・耐候性が1液より優れていると言えます。ではシリコンルーフ2の艶消しとどちらが「持ち」が良いかというと、断言しづらいところです。
2液タイプに使い慣れているかどうか、色味が好みかどうかが決め手になりそうです。
艶消しの色展開は8種類。渋めのシックな色味が特徴です。
アトミクス メタセラシリコンⅠ 半艶 遮熱
完全な艶消しではないですが、ギラギラしない「半艶」で遮熱効果も得られるのがメタセラシリコンシリーズです。
画像は1液タイプですが、2液タイプの「メタセラシリコンⅡ」もあります。
通常、遮熱の屋根塗料は下塗り剤がカギで、遮熱効果がある白い下塗り剤を塗ったうえに、淡い色の遮熱塗料を上塗りすることで最大限効果が発揮されます。
しかしこのメタセラシリコンシリーズは、下塗り剤を問わず、上塗りを2回塗ることで遮熱効果が得られるというものです。
屋根の素材で遮熱塗料を断念していた方や、濃い色の屋根でも遮熱効果を得たい方にはおすすめです。
遮熱での色展開はこちらの7種類です。
いかがでしたでしょうか。
今回は「艶消し」にしぼって屋根塗料についてご紹介しました。
デザイン性に優れて選択肢も増えてきた「艶消し」の屋根塗料を利用して、ぜひ納得のいく屋根を実現なさってください!
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