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屋根塗り替えの完全ガイド|屋根材の種類と最適な塗替えスパンを徹底解説

 

屋根は家の中でも特に外部環境にさらされやすい部分であり、定期的なメンテナンスが必要です。

 

そして塗り替えは、屋根の耐久性を高め、美観を維持するために重要な作業です。特に家の耐久性を高めるリフォームとしては、コストパフォーマンスもよく効果的な方法のひとつとも言えます。

 

本記事では、屋根塗り替えの基本的な知識、塗り替えのタイミングについて詳しく解説します。

 

屋根塗り替えの重要性

建物は建てられたその時から、長年使用するうちに様々な「傷み」を生じます。

 

この「傷み」=「劣化」には目に見える状態、目に見えない状態に分かれます。

 

劣化が建物の部位・部材で済んでいるうちは対策を練ることもできますが、放置すると構造上の危険が生じ、建物として使用できなくなる場合もあります。

 

特に屋根は劣化が進むと建物全体へ与える影響が大きいため、塗り替えをして定期的にメンテナンスをする必要があります。

 

屋根の塗替えには、以下のような重要な役割があります。

  • 防水性の向上:屋根は雨風に常にさらされているため、防水性の確保が重要です。塗料は屋根材をコーティング(保護)し、雨水の侵入を防ぎます。
  • 耐久性の向上:塗料の塗り替えによって、屋根材の劣化を遅らせ、寿命を延ばすことができます。
  • 美観の維持:塗り替えによって屋根の色あせや汚れをリフレッシュし、家全体の外観を美しく保つことができます。

屋根の塗替えは単にお化粧直しとして色をつけるのではなく、下地から劣化部分を補修・しっかりと塗替え塗装をすることで、「改修塗装」としてかなり効果的に修繕することができます。

 

屋根材の種類と塗替え

屋根材によって、塗装ができるものとできないものがあります。

 

屋根材は材料によって大きく分けると窯業系、金属系、その他(アスファルトシングル)などがあります。

 

窯業系屋根材

窯業系屋根材は、粘土系とセメント系とスレート系に分かれます。

 

粘土系屋根材

粘土系屋根材は主に瓦で、釉薬瓦、無釉薬瓦、いぶし瓦などがあります。

これらはいずれも塗装不可です。

 

釉薬瓦

別名「陶器瓦」ともいい、ガラスのような光沢があり耐久性に優れています。

和風洋風どちらの家屋にも使用されています。裏面は粘土(オレンジ色)です。

 

無釉薬瓦

別名「素焼き瓦」ともいい、表面がザラザラで風合いがありますが、耐久性は落ちます。

 

いぶし瓦

「日本瓦」ともいいます。光沢が少なく、表・裏ともに同一色です。

主に日本の城やお寺、和風住宅で使われます。

 

セメント系屋根材

セメント系屋根材にはプレスセメント瓦、乾式洋瓦があり、どちらも塗装でのメンテナンスが必要です。

また番外として「高分子繊維強化セメント瓦」という商品もあり、こちらは非常に塗替えが難しいです。

 

プレスセメント瓦

厚形スレートともいい、成形後に塗料で着色したものもあります。裏面はグレー(セメント色)です。

セメントと細骨材(砂)を原料として乾燥させたもので、塗料との密着が悪いので下塗りを工夫する等、塗替えには注意が必要です。

 

乾式洋瓦

洋風のコンクリート瓦です。モニエルやスカンジアなどの種類が有ります。厚形スレートにカラースラリー層(水ガラス質)+塗膜(アクリルクリヤー)を塗付しています。

裏面はグレーで、商品名が書いてあります。こちらも塗料との密着が悪く、塗料の選定に要注意です。

 

高分子繊維強化セメント瓦

「セキスイかわらBrook」等です。

 

スレート系屋根材

スレート系には住宅屋根用化粧スレート、波形スレートのほか、天然スレートや繊維強化セメント瓦などがあります。

 

住宅用屋根化粧スレート

最も一般的なスレート屋根です。カラーベスト、コロニアル、フルベストなどがあります。セメントと繊維質を原料としています。

防水性を担保するために、定期的な屋根塗り替えが必要になります。

 

波形スレート

主に工場の屋根に施工されていますが、住宅でもみられます。

製造時期によっては原料にアスベストが混合されていることもあるため、施工には注意が必要です。

 

繊維強化セメント瓦

「セキスイかわらU」等です。

セメントと有機繊維を混合して成形しています。ポイントは波型で、凸部にステンレスの留め具をしていて、1枚が大きいのが特徴です。

1975~1990年製はアスベストを使用しており、改修や塗装・解体の際は届け出他、工事に十分注意する必要があります。

また1990年以降の製品はアスベスト不使用としていますが、そのぶん素材がぜい弱で、劣化確認のために屋根に乗ると割れることがあります。

当製品は2007年に廃盤になっています。

 

天然スレート

「玄昌石」を加工したものです。宮城県の有名な雄勝瓦などは東京駅にも使用されています。

今となっては大変貴重なもので、塗装不可です。

 

金属系

金属系の屋根はトタン屋根やガルバリウム鋼板などの鋼板系と、非鉄金属系に大きくわけることができます。

 

建物の環境や経年により錆が発生するので、状態が悪くなる前に塗り替えのメンテナンスが必要です。

 

その他

アスファルトシングルはフェルト紙の両面にアスファルトを塗付し、表面に色砂を圧縮したものです。

公園の休憩所などに使用されている場合があります。吸い込みが激しくムラになりやすい、またアスファルトを溶かすため溶剤は不可です。

 

屋根材ごとの屋根塗り替えスパン

一般的な屋根塗り替えのスパンは5~10年、15年程度と言われています。

 

しかし、屋根の状態は外部環境に大きく作用されるため、雪の多い地域・海沿い・樹木で屋根が汚れやすい等、屋根が傷みやすい条件によっては5年未満で塗り替えが必要になるケースもあり得ます

 

屋根材ごとの塗替えスパンとしては、以下のように考えられています。

  • スレート系屋根:5~15年程度
  • セメント系屋根:5~10年程度
  • トタン屋根:5~10年程度 (金属系でもガルバリウム鋼板はより耐久性が高く、15~20年程度)

これらの情報はあくまで目安とし、実際の状況を目視確認してご判断ください。

 

上塗り樹脂ごとの屋根塗り替えスパン

屋根材のほかに、既に塗られている上塗り塗料から屋根塗り替えのタイミングをはかることが出来ます。

 

こちらもあくまで参考としてご紹介します。

塗料に含まれる樹脂の耐候性によって、「どれぐらい持つか」という目安です。

 

アクリル樹脂 < ウレタン樹脂 < シリコン樹脂 < フッ素樹脂

 

の順に高耐候であるため、メンテナンスの時期も比例します。

  • アクリル樹脂:4~6年
  • ウレタン樹脂:6~8年
  • シリコン樹脂:8~10年
  • フッ素樹脂:10~12年

シリコン樹脂は12年以上、フッ素は20年程度「持つ」という表現がされていることもありましたが、塗料メーカー推奨のメンテナンスサイクルは以前の表現より短くなっています。

 

これは製品の開発後実際に時間が経ち、塗装された屋根状態を観察しての判断と、気象の変化などが理由に挙げられます。

 

まとめ

建物を長持ちさせるために、塗装によるメンテナンスは重要です。

 

とくに外部環境の影響を受けやすい屋根は、定期的に塗り替えのメンテナンスを行う必要があります。

 

今回は屋根材ごとに塗装が不可・注意が必要なものや、屋根塗り替えのスパンについて詳しくご紹介しました。

 

実際の屋根塗り替えについてご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください!

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