専門家が選ぶ!屋根塗料の種類と選び方のポイント
屋根塗料は各メーカーで様々な種類を販売しており、分かりにくいことも多いです。
そこで今回は塗料販売店の私たちが、「屋根塗料」に絞って、選び方や種類をご紹介します。
この記事はこんな方に向けて書いています。
- 「屋根塗料は種類が多くて、どれを選べばいいか分からない」
- 「塗り替えの塗装業者は決まったけれど、うちの屋根はどの屋根塗料にすればいいんだろう」
- 「いったん自分でも概要を調べて、塗装業者と話をしたい」
目次
屋根塗料の選び方|①まずは耐久性を考えてみよう
塗り替えのために屋根塗料を選ぶ際、一番気になる価格帯から考えてしまう方は多いと思います。
しかし、いざ屋根を塗り替え塗装しようとすると、単純な塗料代のほかに足場代・人工代もかかります。
相場を考えても、工事全体にかかる費用は決して安い物ではありません。
塗料販売店としては、「適切な塗料を」「できるだけコストパフォーマンス良く」使用して頂きたいと思っています。
あまり簡単に考えて「安いから」と決めてしまうと、せっかくお金をかけたのにすぐ塗り直し、ということにもなりかねません。
すぐに改築が決まっている家など事情があり、ちょっと保たせれば良いならそれでも十分でしょう。
しかし、今後も長く住む予定の家で、かつ「コスパ良く仕上げたい」場合は塗料を選ぶ基準も変わってきます。
しっかり吟味して塗料や業者を選定すれば、屋根のキレイな状態を長く保つことも可能です。
まずは耐久性という観点から、屋根塗料の種類をご紹介します。
屋根塗料の種類|樹脂による違い
塗料を構成するのは、「溶媒・樹脂(主成分)」「顔料(色付け)」「添加物」の3つです。
このうちの「樹脂」の種類によって、屋根塗料の耐久性が左右されます。
以下が、代表的な樹脂による塗料の種類と耐候性の関係です。
塗料の種類 | 耐候年数(目安) | 価格 |
ウレタン塗料 | 5年~8年 | 安め |
シリコン塗料 | 7年~12年 | コスパ良し |
フッ素塗料 | 15年~ | 高め |
無機塗料 | 20年~ | 高め |
比較的安価な「ウレタン塗料」
かつて屋根塗料としては一般的でしたが、今は全体としてのシェアが低くなってきています。
比較的安価で摩擦に強い性質を持ちますが、耐候性では他の塗料に劣ると言えます。
お値段を安く仕上げたい、塗り替え時期は比較的早くても構わない
こうした方にはおススメできます。
日本ペイントのウレタン屋根塗料はこちらです。
- ファインルーフU
- サーモアイUV
一番メジャーな「シリコン塗料」
シリコン塗料は価格帯・耐候性のバランスがよく、屋根塗料ではもっとも一般的で、カラーバリエーションが多いです。
ただ、「シリコン塗料」と言っても種類が豊富で、1液・2液以外にグレードも分かれます。
希望する色も含めて、実際の商品から比べていくのがおススメです。
日本ペイントのシリコン屋根塗料商品はこちらです。
- シリコンルーフ2
- ファインルーフSi
- サーモアイ1液Si
- サーモアイSi
高価で持ちがいい「フッ素塗料」
一般家屋向けの屋根塗料としては高価格帯ですが、長持ちさせたい方におススメするのはフッ素塗料です。
適切な塗布量で膜厚をつければ硬い塗膜になるので、汚れが付きにくく持ちが良いと言えます。
日本ペイントのフッ素屋根塗料商品はこちらです。
- サーモアイ4F
- ファイン4Fベスト
- デュフロン4Fルーフ
- 1液ファイン4Fルーフ
鉱物の結合を利用した「無機塗料」
公共の建造物、ビルなどに使用されることが多い無機塗料ですが、一般家屋向けの商品も販売されています。
耐久性が非常に高い一方、高価格帯で屋根塗料としては商品の数も多くありません。
ここまでの流れをまとめると、以下のような図で表現できます。
屋根塗料の選び方|②付加機能が必要か考えよう
どの樹脂の塗料にするかを決めたら、次は「付加機能」が必要かを考えてみましょう。
塗料が本来持つ「美観付与」「保護」のほかに「特別な機能の付与」という観点で、オプション的な機能がついた塗料があります。
塗り替えをしたい建物の状況、今後の希望を含めて選んでみてください。
もちろん、付加機能がついた屋根塗料は、そうでない塗料に比べて価格も高くなります(程度に差はあります)。
屋根塗料の付加機能|遮熱機能
一つ目は「遮熱機能」です。
屋根塗料そのものに赤外線を反射させる遮熱効果をもたせることで、太陽の熱が家に篭るのを防ぐことができます。
- 夏場のエアコン使用を減らす「省エネ」効果
- 熱による家全体の劣化を防ぐ効果
以上を期待したい方におすすめです。
夏に外気温があがりやすい地域の方、オール電化等で光熱費が気になる方は、重視したい機能かと思います。
また、子供の頃理科の実験で習ったように、暗い色は熱を吸収しやすく、白みが強い明るい色は熱を吸収しにくいという特徴があります。
せっかく遮熱を期待して塗料を選ぶのならば、屋根の色にも注意したいところです。
遮熱機能にフォーカスした日本ペイントの屋根塗料には、以下のシリーズがあります。
- サーモアイシリーズ
屋根塗料の付加機能|断熱機能
「断熱機能」は主に下塗り塗料によって微細な空洞をつくり、塗膜で断熱効果を期待します。
商品があまり多くなく、取り扱いメーカーが少ないのが現状です。
例えば盆地などの家屋で、夏場極端に暑く冬場は極端に寒いというような、外気温の変化に対応したい場合は検討できるかと思います。
屋根塗料の付加機能|高耐久性機能
塗料に含まれる樹脂の違いで耐久性に差が出ることはご説明しましたが、塗料そのものに「高耐久性」「高耐候性」とうたっている商品もあります。
例えば日本ペイントの商品では、「ラジカル制御技術」といって、塗膜劣化の原因になる因子を抑制する安定剤が含まれているタイプの塗料に「高耐候性」と表記がある場合が多いです。
この場合はシリコン塗料でも、紫外線への耐候性が期待できます。
「高耐候性」と表記がある日本ペイントの屋根塗料は、以下のシリーズがあります。
- ファインパーフェクトルーフ
- ファインパーフェクトベスト
- ニッペパーフェクトクーラーベスト
屋根塗料の選び方|③油性塗料か水性塗料か調べよう
塗料には、シンナーで希釈する油性塗料と、水で希釈する水性塗料とがあります。
屋内では通常においの問題から水性塗料が好まれます。一方屋根などの屋外に関しては油性塗料を選択する業者も多いです。
屋根塗装中のシンナー臭については、「気にする人は気にする」としか表現できません。
しかしシンナー臭の問題より、屋根塗り替えの場合、元々屋根に塗られていた塗料が油性か水性かという点が最も重要です。
屋根塗装は高圧洗浄など「掃除」をしてから塗り替えに移りますが、旧塗膜を十分に剥離できるわけではありません。そのため、上に塗り重ねる塗料が旧塗膜の影響を受けないように注意する必要があります。
- 元々の屋根が油性塗料→油性も水性も塗れる
- 元々の屋根が水性塗料→水性のみ
この条件を守らないと、せっかくキレイに塗った後で剥がれ・ふくれ・色ムラなどのトラブルが起こります。
旧塗膜が油性か水性かを簡単に調べるには、布に希釈用シンナーを含ませて、少し擦ってみる方法があります。
- 布に塗料がつく→旧塗膜が油性
- 布に塗料がつかない→旧塗膜が水性
布についた色が汚れなのか塗料なのか、気を付けて判断してください。
まとめ
屋根塗料の選び方は、
- 耐久性と価格のバランス
- 付加機能が必要か
- 油性・水性
この順番で考えてみましょう。
実際に商品を選ぶ場合は、作業をお願いする塗装業者さんとよくご相談なさってください。
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